やり直しがきく社会をつくる

僕は今、ITエンジニア兼会社の代表をやっている。

5年ほど前まではいわゆる”業務系”システム開発のエンジニアだったんだけど、ここ数年はRPA(Robotic Process Automation)を活用した業務自動化支援を生業としている。

 

RPAを簡単に説明すると「PCの操作を自動化するためのテクノロジー」とでも理解しておけばOK(たぶん)

単に古かったり、ビジネス上の都合でAPIを公開していないシステムとの相性がとても良い。そしてそんなシステムが世の中にはとても多いことを知った。

昨今のDXブームもあって、システムを刷新したりAPI開発したいけどもお金がない。そんな企業にRPAは刺さった。

 

低コストで大きな経費削減効果が見込める。これが企業側にとってのRPA導入の大きなメリットだ。これはよく語られる話。

 

RPAの登場で起きた様々なインパクトの中で僕が面白いなと思ったのは、働く人の”キャリア”へのインパクトだ。

 

これはしばしば批難される話でもあるんだけど、多くのRPA製品は”エンジニアでない人でも簡単にロボットが作れる”のが特徴の一つとして語られてきた。

「エンジニアじゃなくてもITを駆使して業務を効率化できるんだ」と大いにRPAに期待を持った人も少なくないはず。

そして実際に目覚ましい改善効果を出す人もいて、「RPAってスゲー!」「もっといっぱいロボット作りたい!」と思った人も多いと思う。

 

今までの仕事はそんなに面白くなかったけど、RPAと出会って仕事が楽しくなった。

新しい技術の登場によって「仕事が楽しくなった」人がいるという事実。僕は率直にすごいなーと思った。

 

僕は割と早い時期から(フリーランスの)RPAエンジニアとして仕事をしてきた。

RPAの登場によって「RPAエンジニア」という職業?が生まれたのである。そしてこの「RPAエンジニア」になりたいと思う人がいっぱいいて、その中には元々ITエンジニアではない人もたくさんいる。

自分の仕事が面白くないと思ってたけど、RPA×自身の業務スキルを掛け合わせて、新しい仕事を始めてみよう。そうすれば仕事が面白くなる。これはポジティブなマインドチェンジであり、キャリアチェンジだ。

 

このように、RPAは働く人のキャリアにもインパクトを与えている。

RPAという技術をポジティブに学び(リスキリング)、華麗にキャリアチェンジした人は本当にカッコいいと思う。年齢なんて関係ない。

 

最近、30歳までに自分の生きる道を確定しないと詰み

みたいな風潮がある気がして、生きづらい世の中だなーと思うことがある。

RPAの事例みたいに、『いつからでも学び直しができて、それが新しい仕事につながっていく』世の中になるといいなと思う。

 

YouTuberみたいに新しい職業も増えていってるので、若いうちに自分のやりたい仕事を絞るのはなかなかキツい時代だ。であれば、いろいろトライして、いつでもやり直せるような社会をつくるべきだ。

そういう社会を作るために何か自分ができることがないか、このブログを通じて考えていきたい。