オンライン教材の課題

「やり直しがきく社会を作る」をテーマに事業を組み立てている最中なのだが、2021年頃からアメリカを中心にコホート型学習が盛り上がっているらしい。

 

note.com

 

このコホート型学習とは、オンライン上で複数のユーザーと共に協同学習を行うことと僕は理解した。つまり、小中高でやっていたオフラインでの授業をオンラインでリアルタイムで切磋琢磨しながら学習していきましょうということ。

 

Udemyなどのオンライン教材で学習しよう!としたものの、取り掛かりこそちゃんと視聴したが、結局完遂しないまま放置してしまった。。。という経験はないだろうか?

MOOCsの終了率が3~6%というデータも出ており、いかにオンライン教材での学習継続が難しいかを物語っている。

 

僕はこのオンライン教材にはもう一つ課題があると思っていて、学んだところでそれが仕事・就職に役立つのか確証が持てないという点だ。

率直に言ってしまえば、知識がお金になるのか?ということ。社会人が学ぶとき、学ぶ内容は(趣味でなければ)仕事や就職に直結する内容であることが多いだろう。全員が全員そうではないかもしれないが、収入アップやキャリアチェンジのために学ぶことが多いと推測する。

 

ネット上にたくさん教材は転がっているが、果たしてどれを学べば就職に有利に働くのか?Aという企業に就職するにはどういったことを学べばプラスに働くのか?

確証が持てないのであればお金を払って教材を購入するのは憚られてしまう。

 

企業の採用担当者も、こういう人材がほしいならこういうスキルを持っている人が望ましくて、そのスキルというのはこういうので、この教材を学ぶといいよ

ということをもっと伝えていかないと、欲しい人材は手に入らないと思う。

何歳であろうと、企業が必要としているスキルを学んだ人であれば採用される社会にすべきだと思うし、その方がみんな希望を持って生きられると思う。

 

そんな社会を作りたいと思っている。

フリーランスとして働きたい人へ

僕は26歳のときにフリーランスのITエンジニアとして独立したんだけど、その時にお世話になったエージェントを挙げていこうと思う。読者の参考になれば幸いです。

 

当時の僕のスキル感は、話すのも恥ずかしいくらいだが、VB.NET, Javascript, Javaなどを使ったお堅い業務システム開発経験(主にバグFixや小~中規模の機能追加)、ちょっとDBワカルくらいのレベルだったかと思う。

今思えばよくフリーランスになろうと思ったなと、当時の自分の行動力というか、無謀さ?に感心する。

 

そんなレベルなので、最初の単価は月50万ほどだった。激安だがそれでもフリーランスとして働きたかったんだろう。

きっかけは↓のブログだった。

 

www.se-free.com

 

当時は斬新な働き方に見えて、とても興味をもった。自分のスキルを上げていけばグングン単価を上げていけることや、辞めたいときにやめられる自由さが独立の決め手となった。(現場からすれば大変迷惑な話だが)

 

ブログに倣って、エージェント企業と契約を結ぶことにした。最初にお世話になったのは↓の会社だった。

freelance.levtech.jp

 

地方に引っ越すことになったとき、↓の会社にお世話になった。福岡、広島、大阪など地方の大都市にも支社があり、地方案件を紹介してもらえる。

pe-bank.jp

 

こういったエージェントと契約を結ぶにあたってよく言われるのがマージンの話。

経験上、10%前後くらいのマージン率が適正な気がするが、会社によっては20%以上取るところもある。

後者のPE-BANKは契約年数に応じてマージン率が下がっていき、最終的には8%になる。(そもそもマージン率を開示していること自体が珍しい)

 

あと、自分自身が商品となるので、自分の単価を認識しておく必要がある。適正な単価を把握するためには、エージェントが紹介してくれたり出回っている案件の要求スキルと単価を見比べてみると良い。これくらいのことができたら単価はこれくらいもらえるんだなぁと、ざっくりとした相場感が掴める。

僕の経験上、単価100万を超えたあたりから要求スキルがグッと上がり、開発の上流工程をこなせたりリーダー経験(PM)がないとキツい。

 

年齢が上がっていくとともに単価が頭打ちになったり、フリーランスと現場の社員とのドライな関係が嫌になって、会社員に戻ったりする人も結構いる。

たぶん10年くらいフリーランスを続けていると、自分のキャリアについて立ち止まって考える時が来ると思う。

 

僕の場合は起業したのだが、フリーランスをずっと続けるのか、会社員として働くのか、起業するのかは人の気質によって分かれるところだと思う。自分との対話を普段からしっかりしておき、決断していくと良いと思う。

座学と実務経験

座学の知識だけではダメだ、実務経験こそ大事なのだとよく言われる。

 

30代になって思うのは、座学せず実務経験だけを積み重ねているといつまでも自信がつかず、それが自分の強みを探す上で阻害要因になるということだ。

 

僕は20代の頃はITエンジニアとして働くことに嫌気がさし、一度エンジニアを辞めている。結局1年くらい放浪とした後またエンジニアに戻ったわけだが。。。

その時は食っていくために仕方なくやっていただけで、仕事にやりがいなんて感じられなかったし、ましてや家に帰ってから勉強なんてやってられなかった。

 

現場の仕事についていくのが精いっぱいで、その中で学ぶこと、つまり実務経験から学んでいた。当然、実務から学んでいるので現場の仕事はだんだんと覚えていく。仕事をする上では全く問題なかった。

 

別の現場に行ってもしばらくは実務から学ぶ姿勢は変えず、何不自由なくやってきた。が、そんな社会人生活を数年続けていて、ふと、自分の強みが分からない漠然とした不安がだんだんと大きくなっていくのを感じた。

 

実務というのは現場によってランダムに割り振られた仕事なのであって、もちろん自分のキャリアプランに沿ったスキルアップのために都合の良い仕事がやってくるわけではない。

 

A, B, Cのスキルがあったとして、何も考えず実務経験だけで叩き上げられたエンジニアはA=30点, B=20点, C=10点で、どれも自分の強みと言える点数にはなりにくいが、

伸ばすスキルを明確にしているエンジニアはBやCはそこそこに学び、A=80点を目指す。Aのスキルがあることが自分の強みとして自覚でき、それが心の支えとなってB,Cを学ぶときの推進力になる。

 

あと、実務経験というのはクローズドな”現場”という場において自分の”経験”から学んだことなので、世間一般的な知見と乖離がある場合がある。

別の現場で学んだことが次の現場で活きることもあるが、活かせないこともある。あの現場ではこうだったのに、なぜこの現場ではこうなるんだ。。。?と、現場ごとに違う文化を受け入れられないと成長は止まる。

かといって現場ごとの文化に合わせることに柔軟になりすぎると、何が正しいのか分からなくなり、自分の意見を持てない受け身なエンジニアに留まってしまう可能性がある。

 

実務経験をたっぷり積んだ後は、本などで一度体系的に学び直すべきなんだと思う。

体系的に学んだ一般的な知識が実務経験を裏付ける強力な根拠となり、それが自信につながる。自分の長年の勘とかに頼って生きていくこともできるのかもしれないが、たぶん孤立する。

 

結局、座学と経験はどっちも大事だという話に落ち着くわけだけど、それに気づくのが僕はかなり遅くなってしまった。

座学で学んだことは実務に生かそうとする姿勢を、実務で学んだことは一般的な考え方と比較して捉え直してみる姿勢でいることが大事なのだと思う。

 

稼ぐための勉強

娘の受験勉強を見ていて思うことがある。

楽しそうに勉強していてとても良いことだと思うのだが、僕が今”楽しさ”を感じながら勉強に取り組めるかというと自信がない。

 

それはなぜか考えてみたが、たぶん勉強してすぐに”結果”に結びつけようとしすぎるからではないかと。。。

 

自分のやってる仕事に即効性のあることしか学ばない。もっと端的に言えばお金に結びつかない事は学ぼうとしない。そしてなるべく効率よく最短距離で習得したい。

知らず知らずのうちにそんな人間になってしまったのではないか。

 

それが単純に悪い事かというと、そうとは言い切れないから困る。

例えば、仕事上どうしても分からない部分があって、それが分からないと仕事が進まない時は、どこかから情報を引っ張ってきて勉強することになる。これは即効性のある勉強だから勉強しているのである。「仕事が進まない」という強い推進力が背中を押して勉強”させてくれている”のだ。

 

いつ役に立つか分からないことを勉強するには、”余裕”が必要なのだと思う。

今はだいぶ余裕はできてきたつもりだ。経済的にというよりは子どもがいてくれることによる心の余裕の方が大きい。

結婚する前の20代の頃は全く余裕はなかった。お金もないし、いつ役に立つか分からない勉強なんてしてる暇も余裕もなく、目の前の仕事を片付けるためにその都度必要な勉強をするので精一杯だった。

もしかしたら、その積み重ねが今のいくぶんかの余裕に繋がっているのかもしれないが。。。

 

そして何より、勉強することが大変なストレスだった。

それはたぶん、”自分のための”勉強だったからではないかと思う。勉強しないと収入が上がらない(と思っていた)。稼ぐための勉強だった。

 

当時の自分に言いたいことがある。

「自分のために勉強するのも良いが、誰かの役に立つために勉強をしてほしい」ということだ。まぁこんなことが言えるようになったのはホントについ最近になってからなんだけど(笑)

 

稼ぐための勉強だと身につきづらいし、ストレスもかかる。楽しくない。

本来「学ぶこと」は楽しくあるべきだと思う。

 

楽しく学び、それが誰かの役に立って、最終的にお金になって自分に返ってくればよい。コップに知識という水が溜まっていって、コップからあふれた分の水=お金みたいなイメージ。いったんお金のことは忘れなさい、と。

 

こんなことを言ってても、「最終的にはお金になって返ってくるように勉強しなきゃ」などと考えてしまう自分はやはり弱いのだと常々思う(笑)

 

まずは、楽しく学ぶこと。それを誰かのために役立てて、その”誰か”から感謝というフィードバックを受けられれば良いサイクルが出来上がると思ってる。

 

そんなことを娘から教わった。子は親の先生だなぁ。

自分の特性について

最近嫁から「すぐ結果が出る仕事が向いてるね」と言われた。

確かに結果が出るまで1年頑張らないとダメみたいな仕事は向いてないと思う。そういう意味では今のRPA導入支援の仕事は向いているなと感じる。

 

もちろん長期的スパンで顧客企業の業務自動化を進めていくんだけど、1個1個の自動化案件は割と小規模で、ロボット作って自動化…の流れが連続していくイメージ。基幹システムを何年もかけて作っていく作業とはちょっと違う。

 

すぐ結果が出る仕事と聞いて、大体どれくらいで結果が出ないと不快なのか考えてみたけど、たぶん2週間くらいなんだろうなぁ。。。とw

 

2週間で目に見える結果(作っているものが形になる、ユーザーのリアクションが返ってくるなど)がないと続かない。つまり、こういう自分の特性を生かすように仕事をすれば良い。RPAの話題でよく出てくる"アジャイル"で正しいとされる考え方

 

顧客は自身の求めるソフトウェアをその目で見るまではっきりとはわからないので、顧客にはすぐ見せるのがベストだ

引用元:オブジェクト指向設計実践ガイド

に従い、すぐに形にしてユーザーのリアクションをもらうこと。これが自分の特性に非常に合っているのだと思う。

 

ちなみに↑の本は↓の本を日本語訳したものです。

 

 

自分の特性から、自分が向いているビジネスや働き方を考えてみると良いかもしれない。そして自分の特性は、自分で考えるより人から言われた方が説得力があって信じられる。自分だけで考え込んで時間だけ浪費することがないようにしたい。

『教育って二度手間だよね』

半年くらい前に、ある起業家の人に『ITエンジニアでない人がエンジニアになるための教育を行うことについて』どう思うか聞いてみたことがある。

その人いわく「教育って二度手間だよね。それならSaaSとか使って直接ビジネスに貢献するものにお金使った方がいいんじゃないかと思う」というような率直な意見をいただいた。

 

あまりにドライな意見だったので、当時の僕はちょっとムッとしたけど、いろいろと考えさせられる話だったなーと思う。

 

"二度手間"の意味するところはおそらく、会社の売上に貢献するということがゴールだとすると、教育を受けただけでは直接的には貢献できず、そこからどうやって売上に貢献していくか考えなければならないというステップがあるからだと理解した。

社員教育だけが業績を上げる方法ではないし、もっと簡単な方法があるだろう。と言いたかったんだろうと。

 

質問に答えた人は経営者なので、そういう発想になるのは分かる。

そして教育というのは教える側も教わる側もそれなりにコストがかかるし、もしかしたらムダになる可能性だってある。教わり終わった途端に転職してしまったり…。

 

詰まるところ、社員教育することによって会社の業績を上げようとすることの何が難しいかというと、人依存になっている点に尽きると思う。

社員がどんなに頑張って教育を受けても、仕事に対するやる気がなかったらスキルを仕事に生かそうとしないだろう。仕事が楽しいと思うには、楽しいと思える環境が必要だ。例えば一緒に仕事をする人が親切で、自分がやったことに対してお客さんも喜んでくれて感謝してくれる環境。

 

でも実際にはそんな恵まれた環境ばかりではない。恵まれた環境であるためには様々な条件が"恵まれている"という閾値を超えていなければならない。しかもその条件や閾値は人によって違う。だから社員教育に注力=業績UP/経費削減とはなかなかいかない。

 

ちょっと話は変わるけど、僕はRPAを教える仕事もしている。相手はITエンジニア未経験の人が多い。

 

何度も講師をしていて実感するんだけど、テクニック的なものはだいたい習得してもらえる。何度かロボットを作っていればコツが分かる。僕はロボットを作るまでの助走をつけるために後ろからそっと押しているだけで、自走し始めたら僕の仕事はほぼ終了なのである。

 

多少センスの問題はあるかもしれないが、大体の人がロボットは作れる。

ただ問題はそれからで、"ロボットが作れる人"が現場で活躍できるとは限らない。その人が活躍するにはいろ~んな条件がうま~く噛み合わなければダメだ。

 

分かりやすく例えられるか怪しいけど、

変数=人、式=取り組むべき課題

とすると、業務改革が成功する=数十個の変数を持つ連立方程式の解を出す

のと同じだと思ってる。

AさんとBさんとCさんがいて、業務aのフローの整理ができる。

DさんとEさんがいて、業務aの新しい業務フローの周知ができる。

FさんとGさんがいて、RPAを使うためのインフラ整備ができる。

AさんからHさん(決裁権を持つ人)にプレゼンし、予算が下りる。

…みたいに、業務改革が成功するには、成功するために課題洗い出しとその課題をクリアするために必要な人材を揃えなければならない。知見はあっても人格的に難ありな人もいたりするから厄介だ。

 

業務改革成功のカギは結局"人"と"お金"だ。

ただ、人を動かすことができれば、僕の経験上お金の問題はたいてい何とかなっている。

 

業務改革のためにまずはキーとなる社員にRPAを覚えてもらおう!…だけではダメで、その人が活躍できるような体制をしっかり作ることが大切だ。RPAを覚える前のは体制を固めてからでも全然遅くない。

 

RPAを覚えた人がどういった業務改革に貢献して、どのように業績UP/経費削減をしていくのか。そのイメージはあるか?

教育は手段。"二度手間"にならないようにゴールを見間違えないことが肝心なのだと思う。

やり直しがきく社会をつくる

僕は今、ITエンジニア兼会社の代表をやっている。

5年ほど前まではいわゆる”業務系”システム開発のエンジニアだったんだけど、ここ数年はRPA(Robotic Process Automation)を活用した業務自動化支援を生業としている。

 

RPAを簡単に説明すると「PCの操作を自動化するためのテクノロジー」とでも理解しておけばOK(たぶん)

単に古かったり、ビジネス上の都合でAPIを公開していないシステムとの相性がとても良い。そしてそんなシステムが世の中にはとても多いことを知った。

昨今のDXブームもあって、システムを刷新したりAPI開発したいけどもお金がない。そんな企業にRPAは刺さった。

 

低コストで大きな経費削減効果が見込める。これが企業側にとってのRPA導入の大きなメリットだ。これはよく語られる話。

 

RPAの登場で起きた様々なインパクトの中で僕が面白いなと思ったのは、働く人の”キャリア”へのインパクトだ。

 

これはしばしば批難される話でもあるんだけど、多くのRPA製品は”エンジニアでない人でも簡単にロボットが作れる”のが特徴の一つとして語られてきた。

「エンジニアじゃなくてもITを駆使して業務を効率化できるんだ」と大いにRPAに期待を持った人も少なくないはず。

そして実際に目覚ましい改善効果を出す人もいて、「RPAってスゲー!」「もっといっぱいロボット作りたい!」と思った人も多いと思う。

 

今までの仕事はそんなに面白くなかったけど、RPAと出会って仕事が楽しくなった。

新しい技術の登場によって「仕事が楽しくなった」人がいるという事実。僕は率直にすごいなーと思った。

 

僕は割と早い時期から(フリーランスの)RPAエンジニアとして仕事をしてきた。

RPAの登場によって「RPAエンジニア」という職業?が生まれたのである。そしてこの「RPAエンジニア」になりたいと思う人がいっぱいいて、その中には元々ITエンジニアではない人もたくさんいる。

自分の仕事が面白くないと思ってたけど、RPA×自身の業務スキルを掛け合わせて、新しい仕事を始めてみよう。そうすれば仕事が面白くなる。これはポジティブなマインドチェンジであり、キャリアチェンジだ。

 

このように、RPAは働く人のキャリアにもインパクトを与えている。

RPAという技術をポジティブに学び(リスキリング)、華麗にキャリアチェンジした人は本当にカッコいいと思う。年齢なんて関係ない。

 

最近、30歳までに自分の生きる道を確定しないと詰み

みたいな風潮がある気がして、生きづらい世の中だなーと思うことがある。

RPAの事例みたいに、『いつからでも学び直しができて、それが新しい仕事につながっていく』世の中になるといいなと思う。

 

YouTuberみたいに新しい職業も増えていってるので、若いうちに自分のやりたい仕事を絞るのはなかなかキツい時代だ。であれば、いろいろトライして、いつでもやり直せるような社会をつくるべきだ。

そういう社会を作るために何か自分ができることがないか、このブログを通じて考えていきたい。